剣山頂上ヒュッテ宿泊レポート
剣山頂上ヒュッテは、日本100名山のひとつである剣山の山頂にある山小屋です。
剣山は四国にある標高1955mの山で、西日本で2番目に高い山です。
その剣山の山頂から250m離れた標高1930mにあるのが剣山頂上ヒュッテで、剣山山頂までは3分ほどで着きます。
この剣山頂上ヒュッテに宿泊した個人的な口コミというか、宿泊レポートです。
まずは、その理由から書きます。
その1、混まない限り完全個室です。予約をすれば、基本的に個室です。
部屋は、大部屋から1~3人まで対応できる小さな部屋があります。
もし、お盆などで込み合った時でも、すぐ近くの別館の雲海荘を開けるそうなので、個室でない方がレアなケースと言えるでしょう。私は、剣山頂上ヒュッテで宿泊しての剣山登山に魅せられて20回以上リピートしていますが、個室でなかったことは一度もありません。
なお、雲海荘を開けるのは、年間10日無いと山小屋の人が言っていました。
それに、剣山はリフトを使えば登山口の見ノ越から40分で山頂まで登山できる山です。リフトを使わなくても、その倍あれば登頂できます。
ゆえに、剣山頂上ヒュッテには、山頂で星空を見たり、ご来光を見たりなど、登山の為の宿泊ではなく、わざわざ宿泊する人しか泊まらないという事で、基本混まないので個室になります。
山小屋で完全個室の山小屋は、私は剣山頂上ヒュッテしか知りません。
部屋もきれいで、居心地がいいです。
全室コタツがあるのですが、コタツ料金がかかり500円です。
その2、お風呂があります。
四国で一番高い所にあるお風呂と書いてあるのですが、四国で1番高い所にあるお風呂なら、西日本で一番高い所にあるお風呂という事です。
ただし、石鹸使用や洗髪は禁止です。また「行水程度にお早く。湯につかって拭き取るだけ」なんてことも書かれていますが、私はいつも10分以上入っていますよ。仮に、湯につかって拭き取るだけでも、山小屋での風呂は最高だと思います。
なお、お風呂の前には「男性入浴中」[女性入浴中」「空いています」という札を掛けることができ、「空いています」の時に自由に入ることができます。ただし、入浴時間は20時までです。
その3、トイレがきれい。
剣山頂上ヒュッテのトイレは、お風呂の前に男女別の簡易水洗トイレがあります。
それとは別に、男女兼用の洋式の簡易水洗トイレが、そのトイレの横に1つあります。
そのトイレが極めて山小屋離れしています。
まず、便座が温かい。次に、流水音が流れる装置があります。最後は、トイレの消臭剤「トイレその後に」があります。
そのトイレがきれいなのは言うまでもなく、トイレットペーパーも下界と同じようにトイレに流すことができます。
なお、宿泊者でなくても、その超快適なトイレを100円で使うことができます。宿泊者はもちろん無料です。ちなみに、剣山頂上ヒュッテの前には無料の公衆トイレがあります。公衆トイレは、トイレットペーパーもなく、山のトイレって感じですね。
その4、水は貴重だが、そこそこ豊富。
洗面所があり、その水は飲み水として使用できます。もちろん、顔を洗ったり、歯を磨いたりできます。
山小屋の中には、水すらないところもありますので、自由に使える水があるのはありがたいですね。
その5、山小屋のオーナーやスタッフの感じがよい。
剣山頂上ヒュッテでは、宿泊者をお客様として扱ってくれます。山小屋の中には、ものすごく上から目線で感じの悪いオーナーやスタッフがいる山小屋がそこそこありますが、全くそんなことはありません。
いい例が、朝食の時間は、6~8時の間であれば、希望の時間に用意してもらえます。
その6、食事がうまい。朝食は、質素な朝食という感じですが、夕食は豪華です。
夕食内容は決まっていて、あめご(川魚)の唐揚げと天ぷらをメインに煮物や祖谷そばなど6皿の内容です。
朝食夕食ともにご飯のおかわりができます。
なお、自炊設備もあり、それがガスコンロで、それを使用できるんですね。
まあ、私の場合は、つまみ数品をあてにビールを飲んで、それを夕食にするので、自炊設備を使用したことがないのですが…剣山頂上ヒュッテが快適な山小屋というのは、まだ書けるのですが、とりあえずこのくらいにしておきます。
次に、剣山頂上ヒュッテの施設ですが、入口を入ったらまずは食堂です。
ここで、食事を食べます。
宿泊者でなくても、うどんなどの食事を取ることができます。
それはおでんです。
価格はひとつ100円(120円に値上がりしました。それでも、山と考えると安い!)とリーズナブル。
おでんは何種類かあるのですが、こんにゃくが最高においしいです。
私は、日本一おいしいおでんこんにゃくと言っています。
剣山頂上ヒュッテのおでんこんにゃくは、宿泊者であろうとなかろうと、ぜひ食べてください。
私は、剣山頂上ヒュッテに着いて受付が済んだらすぐに、ビール(500円)とおでんこんにゃく買って軽く1杯やりますよ。
話を戻して、食堂では剣山のグッズも売っていますよ。
宿泊する部屋は2階です。
トイレと風呂と洗面所は1階です。
剣山頂上ヒュッテの構造としてはこんな感じです。
他に気になるだろう点としては、携帯の電波ですが、2014年にはソフトバンクの電波もおおよそ入るようになりました。ドコモやAUはもともと入っていたようなので、携帯の電波はおおよそ入ると考えてください。
コンセントで充電できるかという点については、部屋のコンセントは電気がきていないのが多いです。コタツを頼むと電気が来ますので、自由に充電することができます。ただし、北側の小さな部屋のコンセントは最初から普通に電気が来ています。
なので、私は、北側の窓際の部屋「かえで」と「おとぎりそう」のどちらかをいつも指名しています。2人までなら、この2つの部屋がおすすめですね。窓からの景色も最高で、徳島市の夜景も部屋から眺めることができます。
また、廊下や階段のコンセントには普通に電気がきていますので、そこで充電したらいいのかなと思います。そこで充電していたからといって、剣山頂上ヒュッテの人に怒られることはまずないと思います。それから、面白い点ですが、徳島県なのに、地元徳島のテレビ局だけでなく関西や岡山などのテレビの電波がくっきり入ります。食堂にはもちろんテレビがあり、部屋にはありませんが、今は携帯でテレビが見れますので、試してみてください。
以上が、私の目から見た剣山頂上ヒュッテの説明です。
あ、そうそう、宿泊料金は1泊2食で8000円です。開設時期は、4月28日から11月23日までです。
最後に、なぜ、私が20回以上も剣山頂上ヒュッテのリピータになっているのかという点を書きます。
剣山頂上ヒュッテが快適でいい山小屋だというのはもちろんですが、家からそこそこ近いというのももちろんあります。それ以上に、剣山頂上ヒュッテの環境がすばらしいという事です。
1.剣山は本当に山奥にあり、剣山頂上ヒュッテ周辺からは人間の臭いがほとんどせず、非常に静かで日常を忘れてゆっくり過ごせるという事。
2.星空が半端なくきれい。天の川くっきり。まともな明かりは直線で50km離れた徳島市街地という遠方になり、かつ、周りで一番高い山なので、まさに360度の天然のプラネタリウム。頂上付近の木道の陰で風を避けながら寝転がって星空を眺めるのは至福のひと時です。
今でこそ当たり前と思っていますが、私が、流れ星は普通に当たり前に流れているということを知ったのは剣山です。
3.昼間の景色がいいし、剣山頂上ヒュッテの前の双眼鏡は無料。夕陽やご来光も最高!!霧氷や雲海が見えることも。空気がちょっと澄めば、夜は、徳島市の明かりはもちろん、その奥には和歌山市の明かりも見えます。高松や倉敷の明かりなんかもいいですね。派手さはないものの、遠方の夜景を見るのが最高です。
まだまだありますが、こんな理由から何回も剣山頂上ヒュッテにリピートしています。
それから、私のような剣山頂上ヒュッテのリピーターってまあまあいるようですよ。
2014年10月下旬
2015年に改修後の剣山頂上ヒュッテ
剣山頂上ヒュッテは、2015年に内部が少し改修されて変わっていましたので、改修後の剣山頂上ヒュッテの追加レポートです。
一番大きく変わった点は、2階に上がってすぐの大部屋をいくつか潰して、小さな部屋と簡易個室にしていた点です。
ちょっと宿泊者が多い時は、カーテンで区画ごとに仕切ることができる2段の簡易個室に回されるかも知れません。
次に、コンセントが充実しました。これは、携帯やスマホを充電したいという登山者のユーザビリティーを追求したからだと思います。その証拠に、簡易個室ですらすべての区画にコンセントがあります。
3点目は、自炊のコンロが無くなっていました。自炊する場合は、バーナーを持ち込む必要があります。自炊の場合は、洗面所の後ろのテーブルを使って火を使わないといけないようです。
4点目。山小屋最強の洋式トイレが、山頂に公衆トイレができたことによって施設利用者のみの利用になったようです。そして、紙をトイレに流すのではなく、目の前のボックスに捨てるようになりました。まあ、普通の山小屋のトイレと同じ方式になったということです。
他にも、細かく変わったも所もありますが、私が気付いた大きな変化はそんなところです。
あいかわらず、最強の山小屋である事は間違いありません。
以上です。
2016年11月上旬
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