日本3大酷道



日本3大酷道とは、どこか?という前に、まず酷道とは?という事を説明します。酷道とは、ひと言で言うと、きちんと整備がされていない走りにくい未整備国道のことをいいます。

もう少し詳しくいいますと、よくあるのが国道とは名ばかりの片側1車線ずつの2車線ある道路でなく、車と車がすれ違うのが困難な完全1車線や1.5車線の国道のことを酷道といいます。

他にも、舗装がされておらずダートだったり、階段だったり酷道には色々とあります。
さらに、峠部分が開通されていなくて登山道で結ばれている点線酷道というのあります。ちなみに点線酷道とは、地図上では点線で記されているからそう呼ばれます。

とにかく四輪の車で走ることができなかったり、快走することが困難な国道のことを「酷道」と呼んでいます。中には、その峠以外は快走路線であるが、その峠だけが酷道というのもあります。こういったのも酷道です。

ちなみに、国道のくせに走行するのが困難なことから「国道」と「酷な道」をかけて皮肉を込めて「酷道」となっています。

この酷道の中にも、日本3大酷道と呼ばれるものがあります。

ひとつは、長野県飯田市から福井県大野市を結ぶ国道418号線。
ひとつは、三重県尾鷲市から和歌山県御坊市を結ぶ国道425号線。
最後は、徳島県徳島市から高知県四万十市中村を結ぶ国道439号線です。

国道439号線

国道439号線


国道425号線

国道425号線

これらは、どれも山間部を走る国道ですが、随所で道が拡幅などされ改善されています。
とはいえ、どれもさすがに日本3大酷道です。

ただ、酷道418号線においては、木曽川沿いの万年通行止め区間に新しい道路が付く予定ですので、それが完成すれば日本三大酷道では間違いなくなくなるでしょう。

というか、国道418号線は、売木峠が売木トンネルの開通でパスできるようになった時から日本3大酷道ではないと個人的には思います。

では、国道418号線が日本3大酷道から格落ちしたとして、代わりに日本3大酷道に昇格するのはどこだろうか?と個人的に分析すると、東北の国道352号線、中部の471号線、関西の308号線、九州の265号線あたりがふさわしいと思います。

しかし、471号線は楢峠付近30kmがすさまじいだけで酷道区間が短い、308号線は暗峠が細さと急坂すぎで有名なのですが酷道区間が20km無いくらい。この二つは酷道クオリティーは超高いのですが、距離の問題で日本3大酷道にまではならないと思います。

国道265号線と国道352号線は、どちらも酷道区間が長いので、この2つのどちらかが、日本3大酷道としてふさわしいと思います。

個人的には、国道265号線を推しますが、洗い流しや点線国道部分がある国道352号線が少しリードしているかなと思います。また、樹海ラインといわれる約50kmの区間は、2006年に解禁されるまで2輪車通行禁止となっていたという点も評価できます。

話をもとに戻して、この酷道ですが、昔は少しでも山間部に行くといくらでもありました。ですが、現在は道の急速な整備のおかげで随分と減ってきました。いい例だと、峠を越えなければいけなかったのが、トンネルができ快走国道になったというものです。あとは、やはり拡幅工事が進んだことですね。

で、酷道の悪い点としてはスピードが出せないので時間がかかる、対向車とのすれ違いが困難などがありますが、逆をいうと、交通量が少ないので日常を忘れてゆっくり走れる、懐かしい風景が残っている、大型車が皆無などのいい所もあります。

なので、バイクとくにオフロードバイクでとことこ走るのであれば、これほどノスタルジィに浸れる道はないと思います。そういった意味で、大型でないバイクで走るのであれば、酷道走りはおすすめいたします。

この酷道は、どんどん整備が進められ、徐々に姿を消しつつあります。
それに反して、酷道は、テレビ東京系列の土曜スペシャルの企画のひとつ「知られざる酷道の旅」で取り上げられたりして、注目を浴びてきています。

ちなみに、私は酷道をゆっくりトコトコ走るのが大好きです。理由は、なんともいえない独特の雰囲気やその土地の生活が分かることです。また、大型車が走らないということや、交通量がほとんどないのも魅力です。

現在、かなり酷道は減ってきました。
酷道が、トンネル等で整備されたとたん、交通量が増えたり、最悪はトラックの通り道なんかになった道も数多くあります。非常に残念です。

さて、そんな酷道走りですが、常に付きまとうのが、通行止めと工事通行制限です。

通行止めはともかく、工事通行制限も舐めたらいけません。
なぜなら、私が経験した最悪のケースでは、日本3大酷道の国道425号線で、昼の1時間以外は通行できないというのに出くわして、大幅に予定がくるったことがありました。これは「工事通行制限でなくもはや通行止めだろ!!」と言いたい。

ただ、工事通行制限は、長くても2時間のうちに10分は通行できるといった感じですが、これでも予定はくるいます。
なので、そういうのがあるかどうかをあらかじめ調べておくことが必要です。その下調べの仕方をお教えします。

酷道といえど国道ですので、各県の道路交通情報センターに聞きます。
そして、何かしら異常がある場合であれば、その箇所の役場に電話して聞きます。
これで、まずそこを通過できるかどうかが分かります。
ですので、酷道を走る際には、しっかりと下調べをしておきましょう。

なお、酷道とは違いますが、よく似た表現で、未整備な「県道」を「険道」と呼びます。

2014年7月上旬

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