朝日鉱泉から大朝日岳日帰り登山
山形県にある日本100名山の一つ朝日岳。
その主峰である大朝日岳は、標高1870mという高さの割に、非常に奥深いので1泊2日で登山している人が多くいます。
しかし、十分日帰り登山できます。
大朝日岳の登山口は、いくつかありますが、日帰り登山するのであれば、古寺か朝日鉱泉からの登山口からでないと結構無理が出ます。
この2つの登山口からだと大体同じくらいのコースタイムで大朝日岳の山頂に登頂することができます。山頂で何人かの人と話をして確かめました。
ただ、古寺からが圧倒的にメジャーで、登山者の数も多いです。
私は、古寺からでなく、朝日鉱泉から中ツル尾根コースの直登コースで日帰りピストン登山しました。
その時の大朝日岳登山レポートです。
まずは、県道289号線、西五百川林道で朝日鉱泉に向かいます。
この道が、完全1車線と細いうえに、未舗装の区間が結構あります。といっても、フラットなダートなのでそれほど心配しなくていいと思います。
朝日鉱泉登山口は、建物がそれしかないのでまず分かります。
駐車場は10台停めれないのではないでしょうか?
このコースが不人気とはいえ、駐車場事情は非常によくないと言えます。
ちなみに、標準コースタイムは登りで6時間です。距離は、片道8㎞。
まず、最初は、下りでスタートします。
下ると、吊り橋を渡ります。
この吊り橋が結構揺れます。慣れていない人はかなり怖いと思います。
というか、このコース、ここ以外にも3箇所揺れる吊り橋があります。
吊り橋が苦手な人は、絶対に選択したらいけないコースです。
吊り橋を過ぎて少しすると、弘法水という水場が登山道の横にあります。
で、その少し先で、鳥原山方面への登山道との分岐点があります。
実は、そこから先が結構ハードです。
基本的に、川沿いを小さくアップダウンを繰り返す登山道なんですが、道が狭めです。ただ、道自体で迷うようなところはありません。
しかし、吊り橋もそうなんですが、小さな沢を何回か越えなければいけません。その時、先の道が分かりにくい所はあります。
で、私が登山した日の前日は、荒天だったので、その沢を渡るのに苦労しました。
おまけに、道が細く崖の上を行くようなところもあるので、アシストとして鎖やロープがある場所があります。そういうところって、道が細いんですよね。なので、かなり気を遣いました。
吊り橋もかなり揺れますし、二俣出合までの川沿い区間は結構難易度高いと思います。おまけに高度はほとんど上がらないので「早く登らせてくれ!」と何度も思いました。
なので、急登が始まる二俣出合に着いたときは、これから急登にもかかわらず、ホッとしました。
二俣出合は、ちょうど半分の距離です。したがって、山頂まではあと4㎞です。でも、その4㎞で標高差1200mを登ります。日本百急登ともいわれています。
ここから合目の案内看板が出てきます。標高も書いています。
で、どれほど急登かというと、正直、すげーきついというほどではありません。
でも、標高差1200mを4㎞で登るので平均斜度は30度。楽ではないのは確かですが、一気に高度が稼げるので逆に助かります。
私は、急登に強いので、むしろ日本百急登という割に大したことがないとすら思えました。
ココがきついのであれば、笠ヶ岳に登る笠新道なんかは、あまりの長さに心が折れると思います。剣岳の早月尾根なんかは、手を出したらいけません。
とはいえ、なんてことない普通の登山道としては、やっぱり急だとは思います。途中には、ロープがある個所もあります。
でも、道も太目だし、とにかく淡々と登ればいいだけです。
4合目(1060m)が長命水です。といっても、超命水は登山道脇にあるわけでなく、少し(2分)下ったところにあるようです。
水は十分持っていたので、パスします。でも、このくらいの地点が休憩にはちょうど良かったので、休憩しました。
休憩を終え、また淡々と登ります。
6合目(1369m)くらいから、まさに尾根道の登りという感じがします。
視界も開けてきます。
そして、あれが噂に名高い偽山頂なのかという山を望むことができます。この偽ピーク、登山道から見ると、尖がっていてなかなかの山容です。
7合目(1500m)を過ぎると、美しい紅葉が出迎えてくれました。
それにしても、偽山頂の存在感は半端ありません。あそこを踏んだその先に大朝日岳の山頂はあります。
で、登山道は左に回り込むのですが、その瞬間に、偽山頂が偽物だという事がはっきりと分かります。本物の大朝日岳山頂を望めるからです。
本物の山頂を見ると、あれほどの存在感の偽山頂が、ゴミのように見えます。実際、大朝日岳の山頂から偽山頂を見ると、ピークにすら見えません。
大朝日岳山頂を望めるようになると、ゴールは間近です。といっても、30分以上かかります。
でも、振り返ると景色もいいし、紅葉も美しい。幸いなことに、前日に積もった雪も、登山道はほとんど融けている。ペースも上がります。
そのあとは、偽山頂を踏んで、もうひと登りして、大朝日岳山頂に到着しました。
大朝日岳山頂は結構広めです。
景色は、想像以上に素晴らしいです。
基本的には、山また山の景色なんですが、山々の間から日本海も望むことができました。
ただ、雲が多かったために、月山とか、飯豊山などの高めの山々は、雲の中という感じでした。
それでも、比較的地味なイメージの朝日岳が、ここまでの景色とは思いませんでした。
たしかに、ネットで見るとそんな感想を持っている人が多いのは知っていましたが、まさにその通りです。
ちなみに、山頂にいた人何人かと話をしましたが、想像以上に素晴らしいとの感想でした。
なお、山頂にいた人は、私以外全員が古寺から登ってきていました。でも、私の前に1組(2人)は中ツル尾根で登っている人がいたのですが、ピストンせずにそのまま進んだようです。
時間を聞くと、大体が休憩込みで5時間弱という事でした。
私は、中ツル尾根で休憩込み4時間20分でした。
まあ、古寺からも朝日鉱泉からも同じくらいの時間で登れるという事ですね。
で、山頂のあとは、せっかくなので、トイレも兼ねて下に見える大朝日岳避難小屋に行きます。
大朝日岳避難小屋は、山頂から10分ほど下った山頂直下にあります。
大朝日岳避難小屋のレポートについてはこちら
で、再び、大朝日岳山頂に戻り、中ツル尾根を下山します。
急登は、登りと下りでは時間が大きく違いますので、あっという間に下山できます。といっても長いですが…
ただ、このレベルの下りは慎重に下りないとケガをします。
それでも、一番気を遣ったのは、やはり二俣出合から登山口までです。
この区間は、登りも下りも時間が変わりませんでした。
そして、最後の長い吊り橋を渡って、ほんの少し上ったら朝日鉱泉到着です。ゴールです。
大朝日岳は、評判通り素晴らしい景色です。
1泊2日で登る人が多い(この日も、山小屋泊という人は結構いました)ですが、無理しなくても日帰り登山できる山だと思います。
古寺からも朝日鉱泉からもコースタイムは約6時間ですが、ペースが遅くない限りは、5時間くらいが標準だと思います。この2つの登山口からピストンであれば、上り下りで10時間見ておけば、それなりにのんびりできる山だと思います。
ただ、より確実に安全に日帰りピストンしたいのであれば、古寺からの方が断然いいと思います。
なぜなら、中ツル尾根よりたくさんの人が登っているのと、比較的緩やかに登れるからです。
加えて、以下にまとめてる通り、朝日鉱泉からの中ツル尾根直登コースはなかなか大変だからです。
朝日鉱泉からの中ツル尾根は、前半の川沿いコースは、吊り橋や増水時の半渡渉個所が何か所もあるうえに、道も細い。
後半は、急登区間で、苦手な人には拷問かもしれない。
完全に中・上級者コースだと思います。初心者が単独で行くのはおすすめできません。
とはいえ、技術・体力・経験が高い人は、おそらく古寺からよりも若干コースタイムは短くなるのではないかと思います。
以上、朝日鉱泉から中ツル尾根コース(直登コース)での大朝日岳日帰りピストン登山レポートでした。
コースタイム 登山口 → 80分 二俣出合 → 60分 4合目 → 120分 大朝日岳山頂 → 20分 二俣出合 → 120分 → 80分 登山口
2017年10月上旬
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