槍ヶ岳の難易度
槍ヶ岳の難易度について書きます。
登山を趣味にしている人であれば誰しもが知っている北アルプスにある日本で5番目に高い槍ヶ岳。標高は3180mです。
この槍ヶ岳、先っちょが尖っていて、非常に特徴的な山で、日本のマッターホルンといわれています。ゆえに、富士山ほどではありませんが、あちこちの山の山頂から、あれが槍ヶ岳と認識することができます。
その尖った山頂から、難易度が非常に高い山と思われています。
とくに西日本に住んでいる登山者なら、槍ヶ岳に登ることが憧れという人も少なくないはずです。
それを順を追ってみてみます。
まず、核心部である槍ヶ岳の穂先の部分ですが、立派な梯子や鎖がしっかり整備されています。足場もしっかりしています。ゆえに、慎重に登れば危ないことはありません。
もちろん、高所恐怖証の人にとっては高度感はかなりのものなので問題外ですが、そもそもそういう人は登山をしていないはずです。それに、槍ヶ岳山荘の辺りにザックを下ろして穂先にアタックする事もできますので、想像以上に楽です。
渋滞を起こしていなければ、槍の穂先への時間は20分ほどです。早い人なら15分。遅くても30分って感じです。
ということで、槍の穂先は、見た目ほど危なくない。つまりは難易度は高くないということです。
次は、コースについてです。
槍ヶ岳の登山コースは、縦走コースを除いて、新穂高からと上高地からの2通りあります。この両コースともに距離が長い。
一般的なのは、上高地からですので、そちらから説明します。
上高地の河童橋から槍ヶ岳までは片道22kmという長距離です。
しかし、奥穂高方面との分岐である横尾(11km地点)までは、ほぼアップダウンがない林道歩きです。
そこから約5km先の槍沢ロッヂまでも、あまりアップダウンの少ない非常に歩きやすい登山道です。はっきりいってハイキング感覚で槍沢ロッヂまで行くことができます。
その槍沢から先の約6kmが登山という感覚です。
でも、そこから先も、登山道はそこまで険しくありませんし、よく整備されています。すごい登りやすいです。
それでも、約16km歩いた後に、標高差約1200mを登るわけですから、決して楽ではありません。
山小屋も随所にあります。
上高地から槍沢まで、明神、徳沢、横尾、槍沢と4つもあります。
しかし、槍沢から先は、殺生ヒュッテと槍ヶ岳山荘しかありません。
しかも、殺生ヒュッテがあるのは、槍ヶ岳山荘まで30分ほどの距離です。
つまりは、槍沢から殺生ヒュッテまでの間、山小屋がないということです。
でも、これって普通の登山道ではごく当たり前です。
コースタイムで約4時間山小屋がないだけです。
ということで、上高地から槍ヶ岳への登山道は、長いだけで非常に整備されていて山小屋も充実しているということです。
なお、反対の新穂高からの登山コースですが、2004年当時の記憶を呼び起こすと、距離は上高地からと比べると随分短くなります。距離は約15km。
しかし、途中にある山小屋は、槍平小屋だけです。
穂高平小屋は、営業期間外だったのか2004年当時はやっていませんでしたし、新穂高からすぐなのであまり役に立ちません。
登山道は、白出沢までは林道歩きですが、そこから槍平までは比較的平坦な登山道です。
しかし、登山者は少なく、道も細く、迷いやすいです。
おまけに、大したことはありませんが沢渡りもあります。
槍平を過ぎたら、そこから本格的な登りです。
新穂高からの登山コースはこんな感じです。
距離が短い分、若干上高地より早く槍ヶ岳に行けますが、難易度は上高地より高いです。
3番目は、高山病です。
槍ヶ岳は、標高3000mを越える高峰です。
3000m以上の山に登ったことがない人は、高山病が不安な所ですね。
ですが、それほど心配することはありません。
標高2500m辺りから、深呼吸をするように意識してください。
割と多い標高3020mの槍ヶ岳山荘に宿泊する場合は、小屋に着いてすぐに横にならない、水分は多めに取る、アルコールは飲まない、深呼吸を意識する。
この4点を心がけてください。
3000mちょっとなので、高山病はその程度で大部分予防できます。
以上3点より結論を言うと、上高地から登山するのであれば、小屋も充実しているし、登山道もよく整備されている、登山者も多い等の点から考えて、槍ヶ岳登山、見た目ほど難易度が高くありません。
あくまで距離が長いだけです。
その距離も、7割くらいが林道または比較的平坦な道です。
ゆえに、槍ヶ岳って難易度が高そうとビビらずに、挑戦してみてください。まあ、富士山よりは難しいですが…
山小屋が充実していますので、例えば初日に上高地に入り、横尾まで行き山小屋泊。
翌日、槍ヶ岳山頂に登頂して、槍ヶ岳山荘に宿泊。
その翌日に、下山する。
1泊2日で登山する人が多いなか、こんな2泊3日の予定を組めば、中級者でも楽々と槍ヶ岳に登頂することができます。
それから「槍ヶ岳・穂高岳界隈は、午後になると非常ににわか雨が降りやすい」ということも頭に入れておくとより難易度は下がると思います。
なお、槍ヶ岳の日帰り登山の難易度ですが、上高地側からなら、体力さえあれば、それほど高くはないです。ただし、念のために日程に予備日を用意しておいて下さい。
シュミレーションしてみると、朝4時にヘッドランプを点けて出発。
林道なので迷うことも危ないこともほとんどありません。
横尾を過ぎる頃には明るくなっているので、後は淡々と山頂を目指します。
槍ヶ岳に登頂した後は、下山します。
槍ヶ岳日帰り登山をしようという人なら、槍沢ロッヂまでは戻ってくることは、まず問題ないでしょう。
あとは、山小屋が充実していますし、コースも平坦なので、体力がなくなっても何とかなると思いますし、山小屋に宿泊すればいいだけです。
そのための予備日なわけです。
ただし、山小屋の空きが怪しい繁忙期は、念のためにあらかじめ問い合わせておきましょう。
新穂高からの槍ヶ岳日帰り登山は、距離が短い分楽そうなのですが、体力が底をついたりした場合に、山小屋に宿泊するという観点から上高地側からよりもワンランク厳しいと思います。
それでも、体力に自信がある人であれば新穂高からの槍ヶ岳日帰り登山もできなくはないでしょう。でも、槍ヶ岳日帰り登山自体が、弾丸登山と言えるので、やるのであれば上高地からのほうが無難だと思います。
参考までに、もし私(ベテランクラスです)が上高地から槍ヶ岳日帰り登山をしたとしたら、4時に上高地の河童橋を出発して17時、遅くとも18時に河童橋に下山するといった感じだと思います。
以上が槍ヶ岳の難易度についての個人的な考察です。
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