鷹ノ巣からの平が岳登山
平が岳は、群馬県と新潟県の県境にある標高2141mの山で、日本100名山のひとつでもあります。
平が岳は、日本100名山の中でもトップクラスの面倒な山として知られています。
それはなぜかというと、メインの登山口である鷹ノ巣からは距離が長い(片道約11km)のに、山小屋や避難小屋が一切ないだけでなく、原則キャンプ禁止だからです。
つまりは、平ヶ岳に登るのであれば、必ず日帰り登山しなければいけないという事になります。
ただし、メインの鷹ノ巣からの「往復」と言われるコースのほかに「プリンスロード」と言われる一般車通行禁止の林道の端まで宿等の車で送ってもらうルートがあり、そのコースだとかなり短縮できます。
なぜにプリンスロードと言われるかというと、そのコースで皇太子が平ガ岳に登山したことからです。でも、プリンスロードで登った平が岳は平が岳登山と認めないという人もいるくらいです。
私はもちろん、鷹ノ巣からの往復登山です。
鷹ノ巣の平が岳登山口は、国道352号線沿いのまさに山の中にあります。
平が岳登山を困難にしている原因のひとつにこの登山口もあります。
平が岳の登山口に行く国道352号線は、日本屈指の酷道といわれる国道です。
新潟県小出側から向かうと、延々とン十kmもこの酷道352号線を走ります。
反対の桧枝岐方面からはまだマシですが、それでも20kmくらいは細い国道を走ることになります。
つまり、平が岳の登山口に行くのも楽ではないということです。
その平が岳の登山口には、無料の駐車場とバイオトイレがあります。水場や自動販売機を含め他に施設や設備は一切ありません。
駐車場は20台くらい停める事ができますし、道路の反対側も含めたら30台くらいは停める事ができると思います。
私は、登山口の道路脇でテントを張りました。平が岳のピストン登山をするには、早朝に登山開始が絶対条件なので、他にも数組車中泊をしている人がいました。
早朝4時半に起きて、テントを撤収して、朝食を食べたり準備をして6時に平が岳登山開始です。
ちなみに、私の前に5組くらい登山者がいました。6時の私が最も遅い出発でした。さすがは平が岳…
登山口の標高は840m。標高差1300m、距離片道11kmの平が岳登山の開始です。
まずは、林道っぽい道を15分ほど進みます。
突き当たりから上りの開始です。
平が岳10.5kmとか「すぐやせ尾根です」と書かれています。
このやせ尾根ですが、登山地図では危険マークがありますが、全然危険ではありません。幅も十分ありますし、足元もしっかりしています。
しかし、急です。
ロープが張られているような箇所が何箇所もあります。
「平が岳って平じゃないの?こんなに急なの?」という思いでいっぱいになるくらいです。
それでもまずは標高1604m、標高差約800mの下台倉山まで到着しました。
正直、すでに少し疲れた感があります。
それもそうです。
西日本の100名山であれば、ここが山頂でもおかしくないくらいの登山をすでにしているわけですから!
しかし、その下台倉山に出ている看板には平が岳7.2kmと書かれています。
オーマイガー!
ここからはしばらく縦走って感じです。
まずは、台倉山まで縦走です。
景色のいい縦走と思いきや、前半戦は森の中です。
それでも、後半戦は、燧ケ岳の姿を見ながらの爽快な縦走です。
そして、右手にちょっとだけ平が岳を望むことができました。
しかし、それが返って、あまりの遠さに戦意喪失にもなりかねません。
その後、台倉山に到着しましたが、その先の水場である台倉清水が近かったのでそこまで行って休憩しました。
台倉清水は、少し下にあるようでしたが、十分水を持っていたので行きませんでした。参考までに、他のサイトを見た限り、台倉清水は飲めるようです。
台倉清水から、平が岳までは4.9kmです。
ついに半分以上来ました。
台倉清水のあとは、白沢清水に向かいます。
小さく上ったり下ったりしながら、割とすぐに白沢清水に到着しました。
白沢清水は、登山道のすぐ脇にある湧き水なのですが、水質自体はきれいなのかもしれませんが、水たまりっぽく、葉っぱなどのゴミも浮いていて、飲む気にはなれません。
白沢清水から平が岳までは3.2kmです。
あと3分の1。
しかし、ここから上りです。
それもそこそこの急登。
しかし、視界は開け、燧ケ岳や奥只見湖などを眺めながら気持ちよく登れます。
途中、プリンスロードをつかって平が岳登山をしていた組とすれ違いました。
そして、上りきって平らになって木道を進むと、目の前に姫池が現れます。
他にも池塘がいくつかあり「天空の楽園に来たー!!」って感じです。
しかし、まだ平が岳まで1.4kmと出ています。
どんだけ遠いんだよ!
ちなみに、たまご石方面への分岐があり、いわゆるプリンスロードだと、ここに到着するようです。
さあ、ラストスパートです。
さすがに標高差はわずかです。
そして、登山開始から約5時間、ついに平が岳山頂に到着しました。達成感は抜群です。
平が岳の山頂の標柱は、木道の奥にあります。
そこからは眺めはありませんが、そこの所の木道が広くなっていて、景色が広がっています。また、ほんの少し先の木道の先っちょまで行けば、巻機山や越後駒ケ岳などの山も見えるようですが、そっち方向はガスっていてダメでした。
ということで、平が岳からの景色は、やっぱり正面にある燧ケ岳ですね。
雲に隠れたりしながらの至仏山もいいです。会津駒ケ岳も素敵です。
動画はコチラです。
平が岳山頂自体はとても広いのですが、木道以外は立入禁止なので、それほど広くはありません。それでも、休憩スペースを作ってくれているので、10人や20人はゆっくりすることができます。
山頂には、平が岳山頂がなぜこんなに平で広いのか?ということが書かれています。それによると、大昔はここは大平原で、それが隆起して、さらに侵食されなかったからだそうだ。
とにもかくにも、山頂で昼食を食べ下山開始です。
この長い長い道のりを下山すると思うと、気が滅入ります。
山頂にいた人と話をしたら、同じ事を言っていました。
下山はペースが速いのですが、なにげにある小さな上りがきつい!
テントでは5時間くらいしか寝れなかったのもあるようだが、かなり疲れが溜まっているようだ。
で、下台倉山まで下山してきました。
さあ、ここからが本格的な下りです。
こんなに疲れているのに、気を緩めることができない区間です。
しかも、今度はその道のりが眼下に一望でき「あそこの先まで下りないといけないのか!!」と愕然ときます。
それでもがんばって下りているとゴールは来るものです。
林道まで下りた時には「よっしゃー!」と叫びそうになりました。
でも、登山口まで500mあるんですよね。
ということで、下りは4時間で下山できました。
平が岳、確かに噂どおり長いですし、一切何もありません。
コース自体の難易度も、平が岳という名前と違い、かなりの急登がありなかなかのものです。
私は、オフシーズンの平日に単独で登山しましたが、初心者や中級者は、オフシーズンの平日に単独で登るのは、他の登山者が極めて少ないので止めた方がいいです。それくらいの難易度はあると思ってください。
あと、十分な水と食料は必須です。
天気も変わりやすいので雨具は当然です。
なお、平が岳の本来のコースタイムは上り6時間30分、下り4時間50分ですので、念のために上り6時間、下り4時間は見ておいたほうがいいですよ。
というように、準備万端で登山すれば、平が岳は体力と時間が勝負の山です。ぜひチャレンジしてみてください。
コースタイム 登山口 → 15分 林道終点 → 110分 下大倉山 → 60分 台倉清水 → 35分 白沢清水 → 60分 姫池 → 20分 平が岳山頂 → 60分 白沢清水 → 90分 下台倉山 → 90分 登山口/strong>
2015年9月下旬
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